ダンボー製作記 『素材』
製作者:部長 佐藤哲夫
届いた荷物の中身を、ブリキのダンボーが確認しています。ダンボールのダンボーに入った荷物の中身とは…。
今回のテーマは『素材』
プラスチックで、紙(ダンボール)・ブリキ・アルミ・スチールなど、“いろいろな素材で作るダンボーの世界”に挑戦してみました。メインのダンボーの設定は、リアルタイプダンボーに。各所にダンボール的なディテールを盛り込み、実際のダンボールと同じ展開図にプラ板を切り出し組み立てることにより再現しています。
工程1:プラ工作
① 波型のプラ板の上に、0.13ミリの薄いプラ板を重ねて溶剤で接着。上から爪で軽くこすり(強すぎると破れるので要注意!)、溶剤で少し溶けた波型プラ板を浮き出させることにより、ダンボール独特の凹凸を表現。ポイントは、内側の波型プラ板の波に対して垂直方向にこすること。
② ①の手順で、顔、体部分のすべてのパーツ分を用意し組み立てる。①の溶剤が乾いてないうちに素早く組み、③の工程へ!
③ 部分的にダメージを表現。溶剤でプラ板が少し溶けている状態なので、プラ板が指で簡単に破れ、本物のダンボールが破れた時のような表現ができる。完全に乾いてしまうと、カチカチになり破ることができないので注意!
④ 目と口は溶剤が乾いてから。口はデザインナイフで切り取り、目はピンバイス空けた穴をリーマーで大きくする。
⑤ ガムテープ。ミニチュアの、西洋風瓦屋根用のプラ板を利用。そのままでは厚みがあるので、裏からギリギリまでヤスリをかけて、テープのぺらぺら感を表現。
⑥ ポリシーバックル。デザインナイフでプラ板を切り出し作成。
⑦ ホチキス。デザインナイフでプラ板を細く切り出し作成。ホチキス部分の両端をペンなどで軽く抑えてへこませ、ホチキスがダンボールにくいこんでいるように見せているが、実際は貼っているだけ。
工程2:塗装
① エアブラシを使用。ダークイエローをベースに、ライトグレーとオキサイドレッドを少量使用。うっすらと浮き出た波型のモールドが塗料の厚みでうまらないように、サフは吹かない。破れた部分は、ライトグレーの割合を多くすることで、色の違いを出す。
② 基本塗装の後に、キット付属のデカールを貼り、部分的に破ることでリアル感を出す。
③ つや消しクリアーでコート。印字のデカールの部分は、重点的につや消しクリアーを何度も重ねる。デカールとダンボールの段差をなくすことで、最初から印字されているように表現できる。
④ 乾いた後に、ミスターウェザリングカラーのグレーにブラックを少量混ぜたものなどでウォッシング。
工程1:プラ工作
① ミニダンボーのキットをそのまま利用。デザインナイフで、ダイレクトカット法(情景師アラーキーさんがブログで紹介されていた手法をパクリました!)を使い、塗装剥がれを表現。
② サビ部分は、溶剤や溶きパテを使って表面をあらかじめ荒らす。
③ 全身にコトブキヤパーツのリベットを追加。サビが激しい部分は穴をあけ、リベットが抜けているように表現。
④ 頭部にコトブキヤパーツのフックⅡをそのまま使用して追加。
工程2:塗装
① サフはガイヤノーツさんのオキサイドレッドを使用。基本塗装は、最終的にアクリル塗料のクリアーオレンジをかけることを考慮し、かなり青味の強いグリーン(ほぼ青)で塗装。
② サビ部分を塗装。ハルレッド、ダークブラウン、ブラックでサビの濃い部分を表現。サビの濃い部分は筆やスポンジを使いよりナチュラルに。クリアーオレンジで流れたサビを表現。ポイントは、流れたサビ部分が浮かないように、全体には薄めたクリアーオレンジを塗装する。
③ 水性のトップコートで全体をコーティング。
工程:プラ工作、塗装
① 作り終わったダンボーのキットから余ったランナーと、プラ板で作成。目と口をつけるだけのミニミニダンボープラモデル。
② コトブキヤパーツをイメージした濃いグレーで塗装。
③ キットの成形色を再現するため半光沢のクリアーでコート。
④ プラモデルダンボーを包むプチプチ。キットが入っていたビニールの袋に、コンチで地道に一個ずつ型をつけていく。
工程:プラ工作、塗装
① プラ版でフルスクラッチ。
② 全体にステンレスシルバーを塗装。
③ 錆びるスチール。ブルーを塗装して部分的にサビを作る。(サビの手法はおおよそブリキダンボーと同じ。)
④ 錆びないアルミ。ミスターウェザリングカラーのグレーで大げさに汚しを入れた後、つや消しクリアーでコートし、アルミ独特のくすんだ光沢を表現。
ご覧いただきありがとうございました。工程の詳細をもっと知りたい!という方は、お問い合わせページかコメント欄からご質問いただければご回答させていただきます。なお、ご質問内容によってはご返答できない場合がございます。予めご了承ください。
プラモデルの基本用語は、「ガンプラ・プラモデル用語集」よりご覧いただけます。
凄すぎて意味が分からない
ありがとうございますっ!
でもやってみると想像以上に簡単な作業ばかりなので機会があったら試してみてくださいねー!
佐藤部長は技術レベルが高いだけで無く、世界観や発想の部分でも常人には真似出来ないですね。
そんなに褒められてしまうと恐縮っす!
でも嬉しいです!ありがとうございますっ!
とにかく見てくれる人が楽しんでくれながらも、自分のスキルアップにも繋がるようにと、一作品ごとに自分が今までやったことない技術に挑戦するように心がけております!